2008年ベスト

大体、人が12月にやるであろうことをここ2年なぜか年度末っぽいこの時期にやっている。特に意味なし。

マンガ
赤塚先生が夏に亡くなったり、「BECK」がとうとう終わったり、ヤングサンデーが休刊になったり、井上雄彦マンガ展があったり、「あずみ」の第1部が終了したりした2008年マンガ界だったけれどこれは!っていうヒットがなかったな〜、いろいろ読んでるんだけど。そんな中にあってよかった4作。

吉田秋生「海街ダイアリー2 真昼の月

海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)

昨年フリースタイルの出している「このマンガを読め!」のトップを飾った1巻の「蝉時雨のやむ頃」を読んだときは言うほどかなーと思っていたけど、それぞれの登場人物が立体的になってきたこの2巻を読んではじめて「おもしれー!」と思った。マイクラシックの樹村みのり「菜の花畑」的なおもしろさ。逆に言えば「海街ダイアリー」が気に入った人は「菜の花畑」を読んでみるといいかも。今調べたら文庫で復刊してた。

東村アキコママはテンパリスト

ママはテンパリスト 1 (愛蔵版コミックス)

ママはテンパリスト 1 (愛蔵版コミックス)

「モーニング」で連載してるやつはそこまでピンとこなかったものの、この育児エッセイには思わずふきだした。今一番おもしろいギャグマンガなんじゃないかと思う。

小畑健大場つぐみバクマン。

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

バクマン。 1 (ジャンプコミックス)

デスノート」コンビの新作。現代版「マンガ道」。「ジャンプ」で連載を持つのが目標の高校生2人組(作画&原作というコンビであるところが「マンガ道」と違うとこ)が戦略的に「ジャンプ」に挑んでいくという話。マンガ業界話、「ジャンプ」体質の話などが読めておもしろい。

小玉ユキ坂道のアポロン

坂道のアポロン (1) (フラワーコミックス)

坂道のアポロン (1) (フラワーコミックス)

作者初の長編。舞台は1960年代の地方都市。変にひねらずド直球の良作だと思います。

※他に昨年読んだものとして。よしながふみ「大奥」「愛すべき娘たち」、くらもちふさこ駅から5分」、岩本ナオ町でうわさの天狗の子」、吉田秋生「夢の園(短編集)」、黒田硫黄「大金星」、いましろたかし「盆堀さん」、小林まこと青春少年マガジン1978〜1983」。

音楽
まず去年ほど大量に音楽を聴いた年はなかった。で、ここ数年の傾向としてアルバム単位で音楽を聴くってことが著しく減った。とはいえ、そんな中アルバム単位でよく聴いたもの。

V.A.「Funky Nassau: The Compass Point Story 1980-1986」
V.A.「Going Places: The August Darnell Years 1976-1983」

Funky Nassau: Compass Point Story 1980-86

Funky Nassau: Compass Point Story 1980-86

Going Places: The August Darnell Years 1976-1983

Going Places: The August Darnell Years 1976-1983

80年代においてジャンルを超えた数々のアーティストたちがこぞって訪れたというバハマの伝説的スタジオ「コンパスポイント」から生まれたヒット&レアソングをまとめたコンピ フロム STRUTレーベル。そして同じくSTRUTからの、Kid CreoleことAugust Darnell(みんな大好きDr. Buzzard's Original Savannah Band「Sunshower」やElbow Bones & The Racketeers「A Night In New York」もこの人)の74年から82年までの仕事を集めたコンピ。

Thelonious Monk「Thelonious Himself」

Thelonious Himself

Thelonious Himself

ピアノソロ作。何気なく夜中ひとりでぼーっと聴いてたら、すっと入ってきたアルバム。今までピンとこなかった音楽がある瞬間ふと入ってくるのはいいもんだ。ホント思う。ピアノだけでよくここまで飽きさせずに、間を楽しみながら、豊かな演奏ができるな、と。

D'angelo「Voodoo」

VOODOO

VOODOO

2000年リリースだけど去年初めてちゃんと聴いた。やっぱすげーイイ。

Giovanca「Subway Silence」

サブウェイ・サイレンス

サブウェイ・サイレンス

クオリティ高し。現在「All Colorful」が配信限定シングルとしてiTunesで発売中。

ゆらゆら帝国「REMIX 2005-2008」

REMIX 2005-2008

REMIX 2005-2008

中でも「できない」「なんとなく夢を」のextended mixが。

以下は曲単位でよく聴いてたもの。気がつくと80年代のものをよく聴いてた。

Tom Browne「Funkin' For Jamaica

ラヴ・アプローチ

ラヴ・アプローチ

1980年リリース。チョーカッコイイ。何回聴いても飽きない。

Midnight Star「Curious」

Planetary Invasion

Planetary Invasion

1984年。こういうアダルトな音がまったく抵抗なく聴けるようになって。

Bobby Caldwell「What You Won't Do For Love」

What You Won't Do for Love

What You Won't Do for Love

これもハマってハマって…。昔だったら聴き流してた音。同じアルバム内の「My Flame」もイイ!なぜかYouTubeに原曲がないのでliveバージョンを。

Flip Nunez「See You Later」

マイ・オウン・タイム・アンド・スペース

マイ・オウン・タイム・アンド・スペース

フェンダーローズが包みこむようにぐるぐる回るメロウでスぺーシーな一品というか一曲フロム カタリスト。

RH Factor「Poetry featuring Q-tip

Hard Groove

Hard Groove

GillesのWorldwideにも収録。ジャンルで言うとジャズなのかな一応。

Kasso「One More Round」

Back To Mine

Back To Mine

イタロディスコなんだけど、どこか日本の昔のアニメソングっぽい。1981年。

I Level「Give Me」

Back To Mine

Back To Mine

同じRoyksoppのコンピから。1982年。これもやたら聴いた。一発屋らしいけど、間の取り方とか音の鳴らし方が好き。

Kylie Minogue「Wow」

Wow

Wow

Madonna「Hung Up」とセットで。これも完全に80'sだな。

Estelle「American Boy featuring Kanye West
殿堂入り。

American Boy

American Boy

映画
例年になくあまり量を見なかった。そんな中で。

三木聡「転々」

転々 プレミアム・エディション [DVD]

転々 プレミアム・エディション [DVD]

オダギリジョー三浦友和の好演。自分としては昨年見た「松ヶ根乱射事件」での演技がすばらしかった三浦友和さんの引き続きのいい仕事。そんでこれ見た後さらに「流星の絆」に続いた。けっこう人にも薦めて評判よかった映画。今年公開の監督の次回作にも期待。

クリストファー・ノーランダークナイト

ダークナイト 特別版 [DVD]

ダークナイト 特別版 [DVD]

もうさんざん言われてるけどヒース・レジャー扮するジョーカーの存在感がやっぱしすごかった。結局3回見た。映画っぽいオープニングもいいし、ギミックも楽しい。ただもっと作り込めば映画マニアも納得の映画史に残る傑作に並んだかもしれない。けど、それを差し引いても2008年に公開された映画の顔。

ウェス・アンダーソンダージリン急行

正直言って本編よりも冒頭15分弱の短篇「ホテル・シュヴァリエ」の完成度が高いし、印象も強い。完璧なナタリー・ポートマンナタリー・ポートマン完全体。ちなみに衣装・小物はすべてマーク・ジェイコブス印。

※他に昨年観たもの。「アイアンマン」「崖の上のポニョ」「ぐるりのこと。」「全然大丈夫」「人のセックスを笑うな「好きだ、」図鑑に載ってない虫」「ダメジン」「ブレードランナー」(再)「ニューヨーク1997」(再)。

ゲーム
やってなかった過去の名作ゲームを色々やった。他のジャンルと違ってハズレがない!
MOTHER2 ギーグの逆襲SFC

MOTHER2 ギーグの逆襲

MOTHER2 ギーグの逆襲

今やってもびっくりするアイディア多し。
不思議のダンジョン トルネコの大冒険SFC
トルネコの大冒険~不思議のダンジョン~

トルネコの大冒険~不思議のダンジョン~

新しい面白さを体験。
不思議のダンジョン2 風来のシレンSFC
不思議のダンジョン2 風来のシレン

不思議のダンジョン2 風来のシレン

このシステムに完全にハマる。
不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!N64さらに余波で64版にも手を出す。
逆転裁判GBA
逆転裁判

逆転裁判

思った以上に楽しかった。エンディングにはぐっときちゃったし。
1080°スノーボーディングN64
1080° テン・エイティスノーボーディング

1080° テン・エイティスノーボーディング

これは地味ながらいいゲーム。飽きないし。
咲かせて!ちびロボ!(DS)
咲かせて!ちびロボ!

咲かせて!ちびロボ!

これも新しい体験の喜びがあった。



※今やりたいゲームは、PSの「moon」と「街」


全然読めんかった。今年は積極的に読んでいきたい。

吉野源三郎君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

前からどこの古本屋行っても岩波文庫のコーナーで大量に余ってるのを見ていて、なんとなく食指が動かなかったんだけど、何かの本で鶴見俊輔さんが紹介しているのを見て手にとった。結果、とてもよい本だった。少年少女向けの体裁をとっているけれど、それだけに止まらず大人になった自分にも十分に訴えてくるものがあった。父親を早くに亡くした主人公の少年が日常で出会った場面でふと思ったことを、叔父さんに伝えて、それを受けた叔父さんが、おじさんの人生で得た経験を込めて「おじさんのNOTE」という形で少年に返すという形式。立派な大人になるには?

司馬遼太郎坂の上の雲

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

明治維新を越えてすぐに世界と渡り合えるような国家を目指さなければならなかった日本と、愚かな戦争に突入する前のまっすぐで誠実だった、まだ武士の匂いが残っている頃の日本人を描いた大作。小説的なおもしろさもあるけれど、細かいデータも多く、メインとなる日露戦争や史実をしっかり描こうとしている印象を受けた。

北村薫「空飛ぶ馬」「夜の蝉」「秋の花」「六の宮の姫君」

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

秋の花 (創元推理文庫)

秋の花 (創元推理文庫)

六の宮の姫君 (創元推理文庫)

六の宮の姫君 (創元推理文庫)

著者の「覆面作家」シリーズが好きだったので、この「円紫師匠とわたし」シリーズも読んでみた。落語と読書が大好きな女子大生である「わたし」と落語家であり本作における探偵役担当の「円紫師匠」の生きる日常に起こる"殺人のおきない"ミステリー小説。他にないどことなく華麗でサニタリー感のある文章が肝。「六の宮」はちょっと作者の好みに傾き過ぎた感があるものの、もう一度読み直すつもり。装丁は高野文子さん。

西原理恵子「この世でいちばん大事な「カネ」の話」

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

同じ理論社「よりみちパン!セ」から出ている玉袋さんの「男子のための人生のルール」に次ぐ俺クラシック。「カネ」で苦労した人の、苦労しないための「カネ」ぶっちゃけ話。間違いない。

水木悦子「お父ちゃんと私―父・水木しげるとのゲゲゲな日常」

お父ちゃんと私―父・水木しげるとのゲゲゲな日常 (YM books)

お父ちゃんと私―父・水木しげるとのゲゲゲな日常 (YM books)

水木先生の娘さん視点のエッセイ。コンビニそうめんにドはまりする水木先生。「空いろのアイス」といってガリガリくんソーダ味にドはまりする水木先生。などなど萌えエピソード多し。ニマニマしながら読んだ。

※他に読んだものを。オリヴァー・サックス「火星の人類学者」、奥田英朗「サウスバウンド」、村上龍「映画小説集」、山田詠美「放課後の音符」。